小児神経の倫理を語らう会
小児神経医が臨床の場で出う倫理的なジレンマの例
高度な医療行為を行うとき
□リスクが高い高度先進医療
・移植医療、遺伝子治療、手術など □保険適応のない薬や治療
病状が進行した方への医療行為
□気管切開、人工呼吸器、いろう
□人工透析
□がん治療
□その他の侵襲的な治療
病院内のルールつくり
□感染対策や隔離・付き添い □トランジション
□退院(在宅移行)
その他
小児緩和ケアと対象疾患について
小児緩和ケア対象疾患
【生命を脅かす疾患を持つ子ども(life-threatening conditions)】
The BIG Study for Life-limited Children and their Families 2013(英国中西部での調査)
-2.png)
小児緩和ケア対象疾患には、小児神経医が主治医・担当医になることが多い疾患が過半数を占めている
このような症例においては、倫理的なジレンマは生じやすい
小児緩和ケアと対象児の家族について
家族は、児をケアする中心的な存在であるのは言うまでもありません。
入院中は付き添いで、在宅療養中は医療やケアの全てを家族が担います。
特に母親がケアの大半を担っていることも少なくはなく、24時間365日休みない
ケアを担当している方もいます。
家族の役割分担にもよりますが、父親やきょうだいがケアを担うこともあります。
父親には、父親独特の悩みや課題があり、きょうだいにも、きょうだい特有の悩みや課題があります。
家族は、自分が児のケアを担当する支援者であり、かつケアを受ける必要がある方でもあります。
病院には、一般的には、母親、父親、きょうだいのケアを十分に担当するところに乏しいことが多く、
その対応が望まれます。
多職種連携
重篤な神経疾患や重度の障害がある子どもの医療をめぐる倫理的な課題について語らうにあたり、主治医や担当医となる小児神経医はキーとなりますが、子どもや家族の課題には、病気そのものだけでななく、心理的なこと、社会的なことが時に大きくみられます。また、侵襲的な治療の是非については、倫理的な側面での検討、法学的な側面からの検討は必須であります。
語らう会は、年に一度、日本小児神経学会総会の中で検討する時には、小児神経医が大半の中で検討を行いますが、その他の機会には、医師(新生児医や在宅医なども含む)、看護師、福祉関係者、NPO関係者、さらに倫理学、法学の専門家などが集まっての検討を行っています。
語らう会で多職種での検討を経験して頂き、各々の病院に帰って、倫理的な課題を語る時に、多職種での検討が推進されればと思っております。